2022/4/29
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知床海難事故について |
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海難事故については、誰でも起こさないように注意を怠らないことが一番ですが やはり管理意識の問題もあります。 まず、予定日の天候は前もっと知ることができる さらに、その日の状況は前後の天気から推測して、前日確認と気圧配置の状況、 風の方向、潮の流れ、満干潮の時刻、日の出日の入り等 当日の気圧配置の天気図だと、停滞前線があり 知床岬は、反対側がら風が吹き込み、ウトロ港付近は、陰になり波も穏やかだったが 前線が右に移動するに従い、日本海側からの高気圧から前線に向けて風が回り 東~風向きが西側に回り込み、波が高くなる状況でした 天気図から判断すると だから、出航した船は早めに帰って来ていたのです。 たぶん船長も帰りはウトロ漁港に向かい、正面右から波風を受けていたはずです 丁度、前回破損した位置が波の当たっていた場所になります。 そこから破損してエンジンに浸水エンジン停止、沈没したのか 30度右に傾いたと証言から、丁度波の方向と破損個所が重なります。 船体引き上げると分かりますね。 私達も、海洋状況は 実際に現地サービスに電話しての確認と自分の判断があっているか確認し 自分でも当日海を見ての状況で、その日が安全かどうか確認して海に入る どれかが不安な時は、入水しないで観光して帰ります。 どうしても潜りたい時は、場所の変更で安全な湾の中で潜ります。 昔、パラオペリリュー島で海が荒れて、どこも船を出さなかった時に 現地ショップ1件が出航して、日本人6名が流されて亡くなった事故がありましたが その時の話と今回の事故は一部よく似ています。 あの時は、どこのお店も海が荒れていて、ボートダイビングは中止で アンガウル島とペリリー島の間は、潮の流れが速い有名なポイントで 見れる魚類も桁外れで、ダイビング希望者は後を絶たないポイント こちらは水温が高いからある程度生きられますが、浸透圧で体液が少しずつ流れ出て 脱水状態になり最後は死亡してしまいます。 その日、私の利用しているお店も、潜りたいから船を出してくれと、 問い合わせありましたが断ったと、 ショップは言っていました。(出せる海洋状況ではなかった) 事故の少し後に私も潜りにいた時のショップの話です。 次の日から捜索で、現地シップは総出で船を出して検索しましたが、 一部の道具と日記が見つかっただけでした。 日記によると4日ぐらいの記載があって、漂流していたみたいですね 潮の早い海域で、戦時中、日本軍も玉砕前に泳いで渡ろうとして 何人も亡くなっていると話は聞きました。 ダイビングも水中ガイド中に常に潮の流れや急激に天候が変わる場合もあります 常に安全管理に注意してガイドしています。 それでも天候の変化で波が急に高くなることもあります。 幸い保安庁の力を借りるまでの事故はありませんでしたが、 自己判断誤るとそうなりかねません。 周りが自粛している時は、問題があるから自粛しているのだから 良く考えないと、いけません。 お客様は相手はプロだと信じています。 自然を相手にしている商売は、常に刻々と変わる変化に自分の力より自然が勝って居る時はチャレンジしないのが鉄則、自然には勝てません。 私達も海に携わる仕事で、ボートの操船やポイント設定と同じような環境で ダイビングガイドも注意を怠りませんが、それでも死亡事故が起こることがあります、 運もありますが、お客様のレベルに合わせてのガイドは引率者には大切な使命、人を預かる責任が常にあります。 自分の判断ミスが人を事故に巻き込んでしまうからで、責任重大です。 このような事故が起きると自分ならどうしていたか、置き換えて考えます。 事故はいくつものミスが重なり置きます 出航時、同じ仲間に忠告受けていたこと 午後から海荒れると止められていたこと(天気図の配置により) 往復にかかる時間を計算していたか 途中やばいと思ったらなぜ引き返さなかったか(風が変わると沖からモヤモヤした景色が見える)強弱の途切れた風が吹いてくると、荒れるなと感じる。 現場判断のミス いくつものミスが重なっています ほかの船は運行営業しなかった、理由があるはずです。 エンジン不調の兆候はなかったか 同じような事故が無くなることを祈ります。 どこかにターニングポイントがあったはずです。 もしかすると、飽和潜水でボートまで潜れるかもしれません 人が潜れれば、船にワイヤスリングをかけ引き上げられるかもしれません 自衛隊は装備を持っていますから 通常の潜水は50メートルが限界、しかもミックスガスを使用しての潜水です アメリカや日本のテクニカルダイビングでは、ミックスガスで70~120メートルぐらいまで潜りますが、作業するとなるときついと思います。 飽和潜水とは 地上で再圧タンクの中に13気圧まで加圧し(地上1気圧の13倍)120メートの水圧まで時間をかけてアップ終了したら、水中にダイバーをタンクごと下ろして、水中圧力がタンク圧力と一致したら、外に出て作業します。 ダイバーは作業終了したら、またタンク内に戻り、今度は時間をかけて減圧 地上に戻れます。食事やトイレすべてタンク内で生活するため大型設備が必要で 一般では設備持てず高価になり、地上のサポートも24時間何日間もサポートして ダイバーを元の大気圧(1気圧)に返すまで大変です。 水中作業中のダイバーは大型ダンプのタイヤの圧力より大きな圧力が体に かかっています。加圧もともかく、元に戻す方が大変な時間と日日が掛かります。 準備、時間、設備、サポート、費用、失敗すると、ダイバーは死亡します。 ハイリスクのある作業です。 海は、沖の水平線がもやもやしてくると、30分ぐらいで海が荒れてきます 風も、強弱から次第に強くなり、波も徐々に上がりますが、ほんの数分で 山と海の天気は、がらりと変化します。 自然に係る業界は、絶対お客様を巻き込まないように行動することが原則です。 このような事故が起こらないように祈ります。 お亡くなりに、なられた方のご冥福をお祈りいたします。
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