2022/4/9

ホイルバランサー修理 TECO660、国産ベルトで使用できます。

本日はホイルバランサーのTECO660の修理について
まず、初めに、このバランサーは1グラムまでの非常に精巧なバランス測定ができます。
今年で3年半、使用して測定数字に、あり得ない数字が表示され、そこにウエイト貼っても、さらに大きな数字が表示されて使い物にならなくなりました。
もう、新しいものに交換しないと駄目なのかメーカーと相談
バイクもやるとなると、アタッチメント込みで新品80万ぐらいの出費です
 
そこでイチかバチか、カバーを取って内部を見ると、なんとガランド
本体に、軸が固定されており、センサーとメイン基板のみの構成
 
多分一番使う所が駄目になっていると思い、軸を固定している4本のボルトを一旦緩めて
締め直し、さらに反対側にも、2本の固定ボルト(バネが入っている)があったので、同じく緩めて締め直し、内側のボルトはやはり緩んでおりました。
 しかも、スプリングワッシャーなしなので、新たに取り付ける。
 
外に出ている40ミリのメインシャフトも、ボルトで固定しますが、結構しめつけないと、影響出ます。
 
後から分かったのですが 
手前の左側に、シャフトの延長線に、マルイ筒状のコンデンサー部品がついていますが、こいつがケーブルタイト1本で止まっていますが、ホイルの振動で上下に動き
コードの接触不良が発生、電圧不良を起こし、表示数字にありえない数字を表示します。
純正は1本のケーブルタイトで固定されており、タイヤを回転させるとコンデンサーも大きく揺れて、通電電流が一定にならなくて誤数字の原因にもなります、当店は4本で固定し直しコンデンサー接属配線が揺れないようにしています。
これも、誤数字表示の、犯人になります。
これが判明するまで時間かかりました、こうゆう所が海外製は、いい加減に作ってある。
 
最後に内側の軸の一番手前に2本の固定Uボルトあり、これも緩めてから締め直し
これですべてのボルトが固定されました。
 
 上にずらしてあった黒いカバーを閉めて固定する。
 
最後は、ベルト交換、ここも滑ると判定数字に影響
メーカーに純正ベルト頼むと1本28000円と言われ
高い、何とかならないかと自動車用のベルト、俺は修理屋だと自分に言い聞かせて
スズキの平ベルト品番95141-52R00で価格は1780円です。
これをつけてみるが、キリブレーションしてもエラー表示で使えません
 
そこで厚みが純正より厚いので、プーリーに当たる時に振動してしまい
たぶんエラー表示かと思い、
ハンドサンダーでゴムを削り薄くして、削った方は凸凹していて
そのまま掛けると振動が出て、キャリブレーションエラー表示でダメ
 
そこでベルトを反対にして背の方をかけると平らなので、バッチリ駆動して
キャリブレーション後のエラー表示なし、初のENDCOL表示で完成です。
 
何日か、試行錯誤でかかりましたが
無事すべて完成し、今は正常に作動しております。
使用しているとベルトが緩んできたり、その他のガタで、表示数字がおかしくなります、おかしくなったらすべて点検して、キャリブレーションエラー E3とE2エラーが表示されないように、また、各部チェックしてキャリブレーションです。
 
チェック箇所
機械の取り付けガタ、シャフトのガタ、タイヤのセンターが出ているか、ベルトの張りは適正か、コンデンサーがふら付いていないか、チェックしてキャリブレーションのやり直しです、全部終了するとENDCOOLが表示されて表示が左000右000と表示されます、これで完成です、これらが完全ならキャリブレーションしてエラー表示は出ません。
 
取り付ける測定用タイヤもバランスの取れているものを取り付けて
キャリブレーションしてください。
当店は軽トラの12インチの鉄ホイルに LTタイヤを取り付け計測しています。
 
完成・完成。完成
自己満足感で、美味しいビールが飲めました。
皆さんも、同じような機械でしたら作業する所は一緒です。
メーカーに渡して1週間かかるのなら、自分でやろう
メーカー持ち込み調整すると7万円かかります
持ち込んでこの金額です
他に運賃入れるとトータル10万以上かかります。
節約です。
 
パンデミックの時は、メーカーも出張修理は出来ませんとの回答
出張修理は出来ても出来なくても1回来ると35000円です
2回3回となると高額です。
 
バランサーは、ここがタイヤ交換のかなめです。
誤差のないバランスが取れないと、高級車のお客様は来てくれません
いいメンテナンスと、いい作業、低料金、気持ちいい対応、すべてが集客になります。
設備には気を配らないと、いい作業は出来ません。
 
人に機械を貸すと、タイヤホイルをシャフトに落とされてシャフトがすぐガタガタになり使い物にならなくなります、取り付けも外しも、慎重に静かにやらないと、すぐに駄目になります、だから貸さない方がいいと思います。 
 
タイヤ取り付け時にコアーとの心円が出ていないと、ウエイト貼り付け位置が少しずつ
ずれて行きます、対策はタイヤとコアーの取り付け直しと締め直しと、ウエイトを全部外してやり直す。
 
シャフト内部にベアリングがあります、こことベアリング圧入の間にガタが出ると
シャフトとカバ本体すべて交換になります、これが高いし、ここが命になります。
物によっては部品が出ない時もあります。機械本体の交換になります。
ここの寿命は使い方次第です、少ないところで大事に使っても8年から10年ですね
本数にもよりますが、タイヤ年間5000本交換する所は4年から5年
メイン基板交換は15万円と工賃別です。 
 
中古のバランサーはお勧めしません
精密機械で、ガタのある機械は、修理不能、本来の精度が発揮できません
お客様のクレームが絶えませんし、信頼が無くなりますし、大手で取ったバランスが
しっかりとれていなくて、やり直しも結構来ます。外車に多いです。
 
必ず作業前の確認
バランサーのシャフトをもって上下にゆすり1ミリでもガタがあったら
(シャフト取り付けボルトのゆるみもあります、注意してください)
正確なバランス測定できません
原因を追究してから作業に入ります。
 
変な数字が出たり、表示どうりウエイト付けても数字が減らないで多く出る時は
機械据え付けのガタ、シャフトのゆるみ、ベルトのたるみ、キャリブレーションのやり直しのどれかです。
 
本体下部固定ボルトのガタの確認3ケ所(主にシャフト下の固定ボルト)ガタが出やすい、ガタが出やすいように、わざと3か所で固定しています、
3か所以上の固定は厳禁です。
 
今日も快適タイヤ交換準備よしと、呼称する!!
私も過去に買って売却しました、クレームの嵐でした 
1台8万円だったからすごく安いです、でも使えない、今のは40万ぐらいに
オプション入れると倍くらいですが精度が違います。
 
 中国製の安いものは、キャリブレーションの機能がついていません、したがって
感度位置がズレたら、もう使い物になりません、注意が必要です。
 
バランサーには、いつも泣かされます。いつまでゆうことを聞いてくれるか心配です。
次の設備交換のお金も準備しておかないとですね
 
キャリブレーションとは、使用している間に機械の感度が少しずつずれて行きウエイトを指定どおり張っても、数字が定まらなくなり、不明になることです
それを、ここだよと再度覚えさせるために行う感度調節のことです。
バランサーは月に1回ぐらい行います。