2023/11/15

札幌西区のジムニータイヤ外れ事故、幼児重体

また、痛ましい事故が発生しました、ジムニーのフロント左側前輪のタイヤが外れて、歩行中の幼児に激突、意識不明
写真で見ると、ハブボルトは折れていなくて、少し
曲がっている、ナットがひとつも着いていない
明らかに、ハブボルトの締め付け不良と思われます。
 
特に車高上げている車は、足回りから、ギシギシ普段でも音が大きいから、いつものことだと思っている人も多いと思います。
 
私の経験から、外れる前ぐらい緩んでいると、まっすぐ走れません
フロントなら車が左右にフラフラ揺れ、ハンドルにも振動がきます、
誰でも、おかしいと思うはずです。
 
リヤなら、トルクがかかると、リヤがふらつき、やはりガタガタ音が出ます、こうなると、そのまま走るとアッとゆう間に
タイヤが外れます。
 
この時期は、夏タイヤから、冬タイヤに履き替える時期でもあり
交換して軽くナットを締めて、後から占めるつもりで忘れて
そのまま走行したものか、完全閉め忘れ
 
ホイルとナットの間に空間があると、走行時のガタでナットが少しづつ衝撃で押されて緩んで、最後は外れます
ゆるく締めても、クリップボルトとホイルが
ガタのない状態だと緩みません。限度はありますが
 
事故にあった女児には、何とも言いようがない不幸で
悲しいことだと思います、
元気に回復するように、心から祈りたいと思います
勿論事故を起こした人も家族がいて、大変だと思います
両方の被害者がいます。
 
この事故は改造車イコール事故、違反とゆう方向に行ってますが
単純にクリップボルトの締め忘れによる事故です。
 
改造車でなくても同じ事故は起こります
事故の本質を見ないと誤って情報が進んでしまいます。
 
タイヤをしっかり締め付けていなかった本人の1回目のミス
事故の前に運転者は音がしていることに気づいて確認している映像が
監視カメラにとらえられていました。
なぜ、見てわからなかったか、不明
通常は、見てすぐ分かります。
ホイルとナットの間が空いているし、ホイル取付穴が破損しているはずさらに、ガタガタしているフロント
左を点検しているのに、分からないで走ってしまったミス
 
車輛から降りて確認していたみたいで、その時タイヤ上部を前後に振れば、ガタが分かったと思うし、取り付け部を見れば緩んでいることが確認できたと思いますが、これが2度目のミス
即座に運航停止する義務を怠った3回目のミス
4回目のミスが、タイヤ脱落とゆうミスで事故発生
事故は必ず、いくつかのミスが重なって起こります。
 
タイヤ交換前と交換後で変わった所が、異常発生の場所です
いじった後の場所が壊れる、良くあることです。
ヒュウマンエラーにより、人間はミスをしますが
交換した部品が強くなると、その周辺の部品が壊れることが
良くあります、これが一番厄介、整備士泣かせです。
実は整備した後が一番ヤバイのです。
 
お客様も何か異常な音や振動を感じたら、すぐ止まって確認することも大事です。最終責任は運転者に来ますから
 
車両運行は、最終的には、運転者自身にゆだねられるから
修理した者と車両管理者相互に事故防止の観点が、あるので
プロの整備士は、着眼点が違いますから、お客様の言葉と
車両の状態から、原因を調べて行きます。
プロはミスを起こしにくくなりますが、プロも完全ではないのです
 
映画にもなった、空飛ぶタイヤも同じ内容です。
この時は、クリプボルトが折れてタイヤが外れました
三菱のハブの製品、品質が問題になりました。
 
小さなミスが大事故に、発展、悲しい出来事を起こさない為にも
さらに、これから私達タイヤ整備士も、気を引き締めて、
行きたいと思います。
 
良くあるその他の例
ハブには中心を出す丸い円形のガイドがあります(フロントリヤ共にある)そのガイドとホイルが車外で車体ガイド円よりホイルのガイド円が径が小さいと、ホイルが正しく密着しないから走行中に振動が発生します、タイヤは外れませんが、振動で走れません。
 
その場合ホイル側のガイド径が大きい場合はホイル側にハブリングを入れて調整出来ますが、ホイル内側径が取り付けホイルのリング径より小さいと、取り付け出来ません、無理やり取り付ける人がいます
これも事故に繋がります。(ボルト幅と内側ハブリング径が同じか大きい場合のみ取り付け出来ますが、修正ハブリングの追加が発生します)
 
私達、タイヤ交換の業務に接していると、心が痛みます
この手の事故は毎日のように発生しており
 
これとは別にブレーキの調整閉めすぎによる火災事故とブレーキ掛け過ぎによる発熱事故も多く死亡事故に結びつかないと、
発表されませんが、毎日起きていると思います。
 
特に高圧洗浄機による洗浄が一番危ない、タイヤの洗浄によって、
ドラム内に水が侵入して、ブレーキダストがドラム内で固まり
摩擦熱でドラムが発熱、ベアリンググリスやタイヤから走行中に
発火など、など
 
セルフでタイヤ交換して、帰りにタイヤが外れて
事故には至らなかったが、尻もちついて連絡あり
現場に行くと、同じ状態、すぐにジャッキーで車体を上げて
田んぼに飛んでいるタイヤホイルを取りに行き
ボルト周りは、左右にホイルで擦れた跡が残り、ホイルもガタで
穴が削れ、ナットはなくなっている、近くを探すと数個のナット発見明らかに閉め忘れと分かります。
直ぐに運行停止レッカー手配
 
ハブボルトは曲がってしまい、ナットはネジが潰れて使用不能
ホイルは穴が割れてしまい、やはり再使用不能
 
後日ハブボルトとナット、ホイル、タイヤ組替交換、高くつきます。
人身事故よりは安いですが
 
慎重な人は、しばらく走ったら、さらにボルトを締め付けて確認する人もおります。
 
外れる前には相当な音がしていたはずです、フロントならハンドルにも振動が来ていたはず、リアなら加速時に衝撃があります
おかしいと思ったら、すぐ止まり確認することが大事です。
改善しない場合は、レッカーサービス依頼で運転の停止
任意保険入っていれば保険で無料で運んでくれます。
サービスステイションに持ち込み点検をしてから運転再開です。
 
タイヤのボルトは、上げた状態で11.5キロから12キロで締め付けますが、軽く締めて車体を下ろしてからきつく締めると
車体の重さがボルトにかかり、実は規定トルクが出ていません。
 
どうするかとゆうと
まず、手でボルトを半分以上閉めてから、十字レンチで奥まで閉める
4ケ所閉め終わったら、トルクレンチで正規の圧力で締め付けて
この時、ジャッキーアップしていると、フロントはタイヤが回ってしまい締め付けできないので
誰かにブレーキを踏んでもらい締め付ける。
 
一人の場合は、リヤはサイドブレーキを掛ければ締め付けできますが
フロントは出来ません、どうするかとゆうと
ジャッキーを少し下ろして、軽くタイヤが地面に設置してタイヤが回らない状態で、車両の重量がタイヤにあまりかからない状態で作業
正規の締め付けトルクで締め付けます。
実は車体を下ろしてから締めるのは、間違いです。
それでも、タイヤが外れることはありません。
 
良くあるのが後でタイヤのクリップボルトを外すと、
軽く緩んでしまい「こあーい、」と思った経験ありませんか
 
それは、タイヤ交換で車体重量がかかった状態で締めると
実は正しく閉まっていないのです。
 
ハブボルトとナットの締め付けトルクに、車体重量がプラスされてしまい、正規のトルクではなくなってしまっています、
御注意ください。
タイヤを交換した後の事故は実は、とても多いのです。
ニュースになるのは、ほんの一部です。
 
余談ですが
ハブボルトとナットは交換時は純正品がいいです
社外品は金属が柔らかくて、簡単に切断されます
ネジ部も弱く少しでも斜めに入れるとすぐに使用不能になります
交換時は純正品で
ロングボルトを入れる人や、スペンサーを入れるとボルト強度が落ち事故の確率が高まります。